昔の言葉

木 旧暦 10月6日 先負 乙丑 五黄土星 Mårten V45 22555日目

昔は平気で使っていた言葉なのに、最近は人権意識に照らして不適切な表現であるとみなされる場合がある。例えば、看護婦さんは看護婦さんで良いのではないかと思っても、そう言ってしまうと注意を受ける。看護師さんと言わなければならない。看護婦さんという言葉に残るほんのりとした感じを味わうことは現代人には禁じられている。そう感じることが既に「いやらしい」のである。男女が雇用に関して均等に扱われるのは結構なことであるが、一般に男らしくあること、もしくは女らしくあることが省みられなくなるのであればつまらない。男女の機微など万葉の昔も今も変わるまいと思っていたが、それが分からなくなる時代が来るのだろうか。それともやはりあれは一時的な現象だろうか。最近は草食系男子なる言葉もある。草食系男子に初恋という体験は無いのだろうか。異性への憧れがないところに「もののあはれ」はめばえない。僕は、一方で人を尊敬しつつ、昔平気で使っていた言葉を今も存分に使ってみたい衝動にかられることがある。しかし、口に出して言ってしまうと危ないので、いつも心のうちへおとすことにしている。