インターネットの無かった頃

金 旧暦 10月7日 仏滅 丙寅 四緑木星 Konrad, Kurt V45 22556日目

インターネットが無かった時代には日本の情報はなかなか入って来なかった。日本語で書かれていればどんなに古い雑誌もありがたく見せてもらった。出張で日本からやって来る人があると、行って話をして日本の様子を聞いたりした。情報のひとつひとつがありがたかった。今では様子が全く違う。外国に暮らしても平気でいられることの大きな支えになっているのは、僕の場合、インターネットである。通信が発達すると、取引先などに直接足を運ばなくても打ち合わせができるという考え方もあるが、実際にはインターネットが使われるようになってからの方がむしろ出張が多くなったような気がする。遠くへ出張に行くのにもインターネットがあると安心である。ところがそういう生活に慣れて来ると、今度は電子計算機が故障した時にあせりを感じたりひどく落ち込んだりしてしまう。昔は不便であったかもしれないがそのようなストレスもまた無かった。昔を知っている僕らには心の中に帰るべき良き時代があるが、小さい頃から機械に囲まれて育った世代には帰るところが無いというか、自分がストレスにさらされていることも分からない。そうであるからやはりいくら便利であると言っても16歳になるまではインターネットなどしない方が良いのではないかと僕は思う。早い時期からスキルの向上を目指すよりは、心の成長というか、もっと生きる上で根本的なことを少年のうちに身につけるべきではないかと思うのである。