プールのロッカー

日 旧暦 4月13日 仏滅 壬午 四緑木星 Märta Märit V19 23832日目

まだ仕事をしてゐた頃、日本に出張に来ると、時間を見つけてはプールに行く様に心がけてゐた。どのフィットネスクラブでも一見の利用客は受け入れてくれないので、市営プールを探してそこへ行くことが多かった。どの町のプールへ行っても脱衣室のロッカーは、まるでコインロッカーの様な作りであった。これは更衣ロッカーとしては甚だ使ひにくいと僕は思ふのだが、さう思ふ人は少ないのだらうか。ロッカーの扉が開いてゐると、どうかした拍子に頭などをぶつけかねない。特にたくさんの子供たちと同じ時間に着替へになると怪我をさせない様に気を使ってしまふ。あるプールでは、扉が鎖でつながれてひとりでに閉まる様にできてゐたが、かうなると、その閉まり方が素早いこともあって、片手で扉を押さへながら着替へをせねばならず、甚だ不便であった。やはりロッカーは縦に長いものが使ひやすい。でもそれが贅沢だと言ふなら、コインロッカー風でも仕方ないが、せめて、扉が縦に二つに折れて扉を開けた時の出っ張りを小さくする様な工夫はできないのだらうか。設計した人は自分が実際に使ってみればすぐに不便に気づくと思ふのだが、誰もそれを言ひ出さないのは何故だらうかと、ロッカーを利用するたびに思ふ。