「俺について来い」

水 旧暦 3月1日 先負 丙午 四緑木星 新月 Ingvar Ingvor V15 23437日目

東京オリンピックがあったのは僕が高校1年生の時であった。全日本女子バレーボールが金メダルを取り、大松監督は選手たちと共に時の人となった。「俺について来い」という言葉も残している。あの時代には男子たるものは彼のようなリーダーシップがなければならないと言う雰囲気が強かった。どうしてもそのような性格になれない僕は、ずっと劣等感を感じていた。だが、今になって振り返ってみると、世の中には意外に「俺について来い」と胸を張る男は少ないのではないかと思う。世の中の仕組みは複雑になって来ていて、昨日やったのと同じやり方を続けていては駄目になってしまうことが多いので、「俺の言うとおりやればよいのだ」と自信を持って言い切れる人がなかなかいないということもあるだろう。女の人も昔と違って、「俺について来い」と近づかれると嫌気がさして、「結構よ」と跳ね返す人が多いのではないかと思う。期待される人間像は時代によって変わるのかもしれない。しかし、人に号令するしないは別にして、自分の生き方に確固たる信念を持つことはいつの時代も大事と思う。