国語の先生

月 旧暦 3月13日 先負 丙午 四緑木星 Teresia Terese V17 22357日目

昨日のブログに書いた朝のテレビ番組には教育学の斎藤孝も出演していた。この人は「声に出して読む日本語」で一躍有名になった人であるが、もう何年も前、その本がまだ話題になる前に、最初に本屋で見た時、何か惹かれるものを感じて、すぐに買った。そうしてこの本の著者はどんな人であろうかと、色々と想像したりした。子供の頃から、自分が習う国語の先生と言えば必ず年長であった。それはいくつになっても同じように感じるものである。ところが、自分がどんどん年をとっていくものだから、平行移動して、国語の先生もどんどん高齢化していく。井上ひさしもこないだ亡くなったけれども、尊敬する先生の中には鬼籍に入った人もある。僕は「声に出して読む日本語」の著者は、白髭の長い、北風に向かって杖を頼りに立っているのがやっとのような、高齢のおじいさんを想像していた。それである日、テレビで初めて斎藤孝を見た時の衝撃は実に大きかった。僕は自分より若い人が総理大臣になっても驚かない。社長になっても驚かない。俳優になっても驚かない。悪いことをしてお金を儲けてつかまっても驚かない。けれども、若い人から日本語を学ぶということだけは予想していなかった。それでこの時、僕は決定的に自分の年齢を感じたのであった。この衝撃の故に、斎藤孝は僕にとって忘れられない人となった。