冬の山里

木 旧暦 12月14日 先勝 戊寅 六白金星 Karl Karla Konungens namndag V4 22269日目

夜の間に積もった雪が深いところではひざまで達して、玄関の前や車庫の前の雪を除けるのに思いのほか時間がかかった。自動車の検査を受けに行く日であったので、やっとの思いで車を動かして、車検を受けてから少し遅れて会社に出た。えらく雪の深い日になったものだ。今日も冬の厳しい一日であった。父の命日でもある。けれども冬山の恐ろしさに比べればこれくらいは天国である。霊峰富士は別としても、人も途絶えた冬山には食料も無くて、そこは死と隣り合わせの恐ろしい場所である。僕らはそのことをどこまではっきりと思い描いて、例えば西行

さびしさにたへたる人のまたもあれな庵ならべん冬の山里

などという歌を味わうだろうか。現代文明に慣れすぎた僕らは、歌の意味を読み取るにも余程想像力を働かせないと、その世界に近づくことができないような気がする。