リュックを家に置き忘れ

月 旧暦 10月7日 仏滅 壬申 七赤金星 勤労感謝の日 Klemens V48 22203日目

日常生活のちょっとしたことでも順番がある。例えば靴下を履く時は右足からとか、人それぞれにちゃんとした手順が決まっている。この順番を間違えると、時として失敗することがある。朝、家を出る時には荷物を玄関まで持って行く、それへ弁当を入れる、水筒を入れる、自転車ランプの電池を充電してあるものと交換する、ジャケットを着る、リュックを背負う、手袋をする、耳当てをする、ヘルメットをかぶる、靴を履く。ファイナルチェックリストがあるわけではないが、これをこの通りの順番で間違わずやることが僕にとって大事である。同居人が家にいる日には、ちょうどこのころに玄関へ出てきて、「行ってらっしゃいませ」と三つ指をつく。普通、三つ指とは座って床につくものだが、我が家の場合は、欠伸をかみころしながら立ったまま、見えない壁に向かって耳の両側で垂直に三本の指を前に押し出すものだから、何とも奇妙な気分で送り出されることになる。今日は同居人は出てこなかったのであるが、僕は何をどう間違えたか、今日に限って、先にヘルメットをかぶってから自転車ランプの電池を交換した。この手順を間違えたのが原因で、リュックを背負わないまま家を出てしまった。自転車に乗った時、「何か今日は軽い気がしないかい」という声が耳元でささやいたような気がしたが、すぐに他の考えに打ち消されてしまった。会社について水筒を取り出そうとした時、初めて荷物の無いことに気づいた。しばらく考えてからこれは家に忘れたに違いないと確信した。それで昼休みに自転車で家に帰り、家で弁当を食べてまた午後になって自転車で会社に行った。こんなわけで今日は家と会社を自転車で二往復した。