カラスの親子

月 旧暦 7月2日 友引 庚子 九紫火星 Botvid Seved V31 23910日目

ひと月ばかり前のブログで小鳥のえさを庭の木の枝に吊るす話を書いたが、このえさやりはその後も続けてゐる。知能犯のカラスはその後も時々やって来て、我が物顔にえさをあさって行く。カラスは全部で4羽になることがある。小鳥なら可愛くて、カラスなら可愛げが無いと考へては公平さを欠くが、図体の大きなカラスはぶら下がった籠を隣の枝を利用して横倒しにし、巧みにそこへ強力に固定してから餌を食べあさる。それでそれが出来ない様に、吊るす枝を紅葉から銀杏に替へてみた。するとカラスは餌が食べ難くなったことを恨んだか、2階の突き出たベランダ下の奥に置いた自転車のサドルの上や新聞受けの上や玄関の出たところにさんざん糞を引っ掛けて行った。小さな枝も切り落としてあった。花壇の花もくちゃくちゃにされた。しかし、ここで怒ってはいけない。人間の世界でも一部の人に対してのみ親切にすると、その利に浴さなかった別の人から却って恨まれてしまふことはありうる。親切はいつでも無条件に良いとは限らない。隣の2階に住むアグネッタは僕よりも観察力が鋭い。同居人が彼女から聞いて来た話によると、あの4羽のカラスは親子であると言ふ。なるほど、さう言はれて見てみると確かに親子である様に見える。いつも同じカラスだけがやって来てゐたのかと初めて知った。カラスの親が人間に狼藉を働けば子はそれを見習ってしまふ。何とか子カラスだけでも悪の道に入らない様に更生教育してやりたいのだが、なかなか対話を成立させるのがむつかしい。僕にはどのカラスも同じに見えてしまってあの親子を識別できないが、カラスの方では間違ひなく僕を他の人間から識別してゐる。敵は僕より上手である。恨まれてゐるので空から急襲されない様に家を出る時はヘルメットをかぶる等、用心してゐる。