ある遊園地の思い出

土 旧暦 6月18日 大安 乙酉 六白金星 Silvia, Sylvia Drottningens namnsdag V32 22096日目

もう何年も前、ベルリンの壁が崩壊して東西ドイツが統一された頃に、親子三人で小さな乗用車に乗り、ブタペストまで行ったことがある。東西ドイツの国境は自由に通過して良いと聞いていたものの、日本のパスポートを持った人間がそのまま突破して後で問題にならないだろうかとやや心配であったので、一応停車して、ゲートを管理している人に通過して良いんだねと念を押して通過した。ベルリンでは壁を壊していたので、群集に混じって僕もハンマーでひと殴りしてみた。東ドイツに入って小さな町を通過した時、夕暮れの中でブランコで遊ぶ子供たちがいた。ブランコといっても高い1本の支柱のてっぺんから何本かの紐が降りていて、それを人間がぐるぐる廻して遊ぶだけのいたって簡素な遊具である。ふと、東京のディズニーランドとの比較を思ってしまったが、子供の感じる幸福感というものは、どちらが勝っているか分かったものではない。昨日、移動遊園地のことを書いて、ふとまた昔の旅先の風景を思い出した。大人の人間にとって経済は大事だが、人間の幸福と経済的豊かさとはやはり無関係のものであるということを改めて思った。