東京の地下鉄

金 旧暦9月12日 友引 癸未 五黄土星 Harry Harriet V41 21794日目

若かった頃、東京という町に出て、地下鉄がめずらしくて、用事も無いのに何度も乗ったことを覚えている。日本で一番古い地下鉄は上野-浅草 2.2km。昭和2年、1927年に営業を開始した。その後この線は銀座を経由して渋谷まで 伸びた。これが銀座線(G)である。当時はどういうわけか駅に進入するたびに室内電灯が一瞬消えて、それが僕には文明の形のように思われた。その後、丸の内線(M)が出来た。このふたつの路線は電気のとり方が特別であるので、他の私鉄路線との相互乗り入れは今も無い。ところがその後に出来た日比谷線(H)は西には東急東横線、北には東武伊勢崎線と相互乗り入れしている。この三つの地下鉄が交叉する町が銀座で、当時、僕は地下鉄銀座駅の大きさに驚いた。東京の地下鉄はその後も発展を続けて、都心部であればどの任意の地点をとっても、最寄の駅に10分かからないと思えるくらい、網の目のように張り巡らされるようになった。路線も、東西線(T)、千代田線(C)、半蔵門線(Z)、有楽町線(Y)、南北線(N)と増えて、最近は副都心線(F)というのまである。いずれも他社路線との相互乗り入れをして便利になっている。これとは別に都営地下鉄線もあり、浅草線(A)、三田線(I)、新宿線(S)、大江戸線(E)がある。路線の名前も駅の名前も僕は嫌いではない。が、しいていえば、昔使われていて今はもう使われなくなった地名を地下鉄の駅名に残して欲しかったような気もする。それにしてもこれだけの地下鉄網を建設する技術力は本当にすごいと思う。大手町駅など、丸の内線、東西線、千代田線、三田線半蔵門線が入り組んでいて、頭の中で立体的にこれら5つの路線の交叉の仕方を思い浮かべてもとても描ききれない。それどころか、平面図で書いてさえ、これらを白地図の上に書いてみることが、何も見ずにはできない。