病欠補償の是非

水 旧暦2月12日 先勝 戊午 七赤金星 Josef, Josefina V12 21589日目 -1.2℃

スウェーデンでは、病気になって、お医者さんの診断書がある場合、病欠の扱いにしてもらえて、その期間の収入が補償される。病気になってしまった場合でも収入の面で不安が少ないのでありがたい制度である。自分が弱い時、人の情けに頼らずとも、社会の制度が助けてくれるのは本当にありがたいことと思う。その分、自分が健康で頑張られる時はしっかり頑張ろうという気持ちが皆に無いと、こういう制度は崩壊していくものである。そういう制度があるなら、大して病気でも無いのに、少しでも楽をしてやろうと考える人もいる。そういう人がありがたい制度を駆逐していく。10人の患者のうち、病欠の扱いにして欲しいという希望を出せば、そのうちの8人までは希望通りにお医者さんに診断書を書いてもらっているという現実がある。お医者さんは不必要に患者と言い争いたくないらしい。職場に復帰も出来ない、家で収入なしでごろごろも出来ない、という人に、求められるまま、病欠の診断書を書いてしまうことが多いらしい。その筋の人が、診断書を書けと医師に脅迫するという噂を耳にしたこともある。社会主義の行き着く先は、本当は強い人間が、補償を求めて弱い人間になりすます、というところに落ちていくのかもしれない。だからといって、無条件に、民間に自由競争さえやらしていれば健全な経済が発達するという楽観主義には、僕は容易には同意できない。