冬の旅

土 旧暦12月5日 仏滅 辛亥 三碧木星 Frideborg, Fridolf V02 21522日目

1週間前、同居人の兄が急逝した。兄といっても僕と同じ年回りで、実際の年齢はむしろ僕よりも88日若い。小さい頃からの友達であるので、衝撃は大きかった。ヨーロッパの朝早い電話連絡を姪から受けて、急遽飛行機の予約をして日本に来た。帰りの便をオープンにしたかったのであるが、週末で旅行代理店は閉っていたものだから、適当に帰りの日を指定して出発した。こういう急ぎの時に限って、飛行機が予定通りに飛ばない。3時間待ってキャンセルの代用便に乗ると北京に迂回することになり、そこでまた5時間待たされた。しかしこの時ラウンジに入ってインターネットにつなぐことが出来たので、アジアの良い時間帯にこの待ちは無駄にならなかった。月曜日の夜遅く東京に着いた。たとえ普段は遠く住んでいるにせよ、身近な人が死ぬという異常な状態にある時は、なるべく静かにして、外との交わりを断つことが最善であると思い、喪に服するつもりで、ブログを書くこともこの1週間は中断した。しかし、僕のそんな思惑をよそに、この1週間は結果的には非常に忙しい1週間であった。そして、不思議に長い1週間であった。時の長さをこんなにも長く感じたり、時によって短く感じたりするのは、どのような心理的作用によるものであろうか。僕よりも同居人の衝撃の方がはるかに大きいので、僕に出来ることは、一緒に東京へ来ていてやることだけである。手伝いらしいことは何も出来なかったが、それはそれで良いと思っている。葬儀場の都合もあり、お通夜は明日ということになった。今日の週末は雨がしとしとと降り、町を少し散歩した他は、ホテルで静かに過ごした。明後日には友を野辺に送る。