イノシシに襲はれた犬の話

火 旧暦 12月3日 友引 癸巳 三碧木星 Frideborg Fridolf V2 24433 日目

これは日本での話であるが、イノシシに襲はれた犬の話を、ある人から聞いた。犬はチワワで無力である。この頃は野生の動物が人里にも出没する例が多く、散歩の途中で離した時にやられたらしい。犬でも人でも突然イノシシに出会ったらびっくりするだらうと思ふ。野生の犬ならばそれなりに対処する能力があるかもしれないが、家庭犬として大事に育てられた仔犬には、とっさに何もできなかったらうと思ふ。可哀想な気がした。話は飛ぶが、僕がまだ幼稚園児であった頃、割と近所に熊が出て、ある家の玄関に入り込んで寝そべった。その家には僕と同い年の女の子がゐて、丁度その時お母さんと二人で家の中に居た。気が気ではなかったらうと思ふ。当時はまだ電話もなかったからどの様にして助けを求めたのか分からないが、ともかくも間もなくその熊は警察の手で射殺された。その女の子の一家はそれからしばらくして遠い街へ越して行った。イノシシに襲はれた犬の話を聞いてふとそんな昔のことを思ひ出したりした。