靖国神社の分祀

土 旧暦8月26日 先負 癸酉 六白金星 Jenny, Jennifer V40 21424日目 7.4℃

日本遺族会会長を務める自民党古賀誠選対委員長は靖国神社の在り方について「A級戦犯だけに戦争責任があるとは言わないが、多くの戦没者の遺族を出してしまった。国の時の指導者に責任をとってもらうのは一つの考え方だ」と、述べた。中曽根康弘元首相も同じような考えであるらしい。僕はこの考え方には素直には納得できない気持ちがある。国民の多くが、本当は戦争などしたくなかったのに、死にに行きたくなんかなかったのに、戦争に駆り立てられてしまった、と思っている。あのような多大な犠牲を伴う戦争へと国家を間違った方向へ駆り立てたのは他ならぬ時の指導者であった、と思っている。しかし、本当にそうだろうか。想像の翼を広げて自分の身をあの時代の雰囲気の中においてみると、少なくとも自分は「私は戦争には反対です」と言い切ることが出来なかったのではないか、という気がする。それは指導者に洗脳された時代の雰囲気というよりも、国民の誰もが腹の底から戦って勝たねばならないと信じていた空気に、抵抗せねばならなかったからである。あの時代は現代の僕たちからは想像もつかないくらい右翼的な世の中であった。そこを見過ごすとあの時代は理解できない。そういう時代への反省は誰かに責任をとってもらうことで解決することではない。僕ら一人一人に常に重く課せられた課題である。念のために書くが、僕は決してA級戦犯を弁護しているのではない。分祀することで、自分たちには責任がなかったと妙に安心してしまう空気がこわいのである。