バールシグード

木 旧暦8月3日 仏滅 庚戌 ニ黒土星 Sture 1 Ramadan(tab.) 21401日目 9.0℃

昔、英会話を習っていた頃、椅子を指差して "Please" と言うと、先生は "Please" だけでは文にならず、聞いていて不完全で落ち着かない、"Please sit down." とか、"Please take a seat" とか動作を言い添えると英語らしく聞こえます、と教えてくれた。日本人は「どうぞおかけください」とも言うが「どうぞ」とだけ言うことも多い。それでついこの「どうぞ」の部分だけを英語で「プリーズ」とやって、それで済まそうとする傾向がある。英語には「どうぞ」に単独で対応する言葉がないのであると思う。それに比べて、スウェーデン語には「バールシグード」という言葉があって、これはかなりの部分で日本語の「どうぞ」に単独に対応している。だから、いちいち動作を言い添える必要がない。慣れてしまえば英語よりスウェーデン語の方が日本人には心情的に使いやすい言語ではないかと思えるフシがあるが、この「バールシグード」もその例である。ただし、「どうぞ・・・してください」という風な依頼文に使うことはできない。"Var så god" と書く。元の意味は「どうぞ良くあるように」くらいだろうか。「ありがとう」の返事としても使う。"You are welcome." ほど大げさに響かなくて良い感じがする。

秋風の いづれか染めし 初もみぢ