台所

金 旧暦8月4日 大安 辛亥 一白水星 Ida Judiskt nyår 21402日目 7.0℃

あと何年住むことができるか分からない住まいであるのに5月に台所を改造した。住宅の形態にもよるが、アパートであれ部屋を自分の好みに改造できるのはこの国の住みやすい一面を示している。マイホームを持ちたいという夢は僕にはないが、台所を改造することには興味があったので、自分である程度のスケッチを描いて、専門のお店に持っていって見積もりをしてもらった。改造のポイントの一つは炊飯器やパン焼器を引き出しの中にしまって、電源も引き出しの内側で接続するようにしたことである。二つ目は、コーナー部のスペースを有効利用すること、三つ目は音楽を聴くことが出来るようにスピーカーを上部にはめ込むことなど。照明もスポットライトをつけたりした。棚の高さや段数もかなり細かく指定したスケッチを持って行って、結局その通りに作ってもらった。この新しい台所に同居人はいたって満足で、この台所になってからというもの、僕は台所に立った事がない。台所とは狭いところで、二人が共同で作業をしようとすると、必ずぶつかる。ちょっと横にずれてね、と言うのも煩わしい。食器を片付ける場所も微妙に違えば、洗剤の使い方、まな板の使い分け、水をシンクにためる方法も違うから、作業をするなら、一人でやるに限るのである。テーブルはこの20年間変わらぬ丸テーブルである。小さい頃、家族で食事が済むと、その丸い食卓がそのまま自分の勉強机になった。いわば多機能机で、その思い出を大事にする僕は今の丸テーブルでもほぼ同じ使い方をしている。椅子の有無の違いはあるけれども。こうして、僕は家での時間を台所で過ごすことが多い。台所にテレビがないのはありがたいことである。

じゃがいもの ふっくら楽し 台所