心の中のブラウン運動

2024-02-25 (日)(令和6年甲辰)<旧暦 1 月 16 日>(仏滅 己未 二黒土星) Sigvard Sivert    第 8 週 第 27410 日

 

何か事件が起きると、当事者を知る人がインタビューに答へて「あの人に限って、まさかそんなことをするはずがない」と応じる場合は結構多いのではないだらうか。人の心の中は誰にも分からないと言ふことだらうか。といふよりも、人の心の中は、水に浮かべた花粉がジグザグな動きをする様に、絶えず揺れ動いてゐるのだと思ふ。その一瞬の動きを捉へれば、人は突拍子もなく過激なことを思ってしまふのかもしれない。普通の人は過激なことを思った後すぐに理性が働いて、常識ある範囲に考へを戻してから何かを発言するのだと思ふ。もしも人の心を読む機械が現れて、この過激な思ひの一瞬を読み取って「この人はこんな考へ方をしますよ」と発表されたりしたら、世の中は無茶苦茶になると思ふ。その一方で、現代の世の中は、人の発言に対する許容度が厳しすぎる気もする。政治家などで失言が問題になることもしばしばあるが、少し喋りたい様に喋らしてやる社会の度量といふものもある程度必要なのではないか。ちょっと何かを喋っただけで、すぐに過敏にセクハラやパワハラにされては、人はなかなか腹を割った話し合ひができなくなるのではないかといふ気もするのだ。

海の氷も解けたようで。