サービスの国日本

2024-01-30 (火)(令和6年甲辰)<旧暦 12 月 20 日>(先勝 癸巳 三碧木星) Gunilla Gunhild    第 5 週 第 27384 日

 

スウェーデンといふと福祉の国で、ステレオタイプ的に単純にその面では何でも素晴らしいと思はれる人も日本には多いかと思ふ。ある意味では当たってゐるのだが、ベースといふか、前提といふか、出発点が全然違ふので、普通の日本人が自分のベースに固執したままでイメージを膨らませてスウェーデンで生活してみると、「エッ、さうなの」とかなり大きな違和感を感じるかもしれない。そのベースの違ひといふものを一言で言ふなら、日本は消費者の国であり、スウェーデンは労働者の国といふこと。スウェーデンの労働環境は確かに素晴らしいのだが、それはその分だけ消費者としては我慢しなければならないものがあるといふことである。それが我慢だなんて思ふ人は誰も居ないと思ふけど、便利さに慣れた日本人にとっては我慢に感じるかもしれない。スウェーデンの労働環境で仕事をして、日本の消費者環境でサービスを受けられたら、それは素晴らしいだらうが、多分、そんな社会はないと思ふ。日本では少子高齢化を大問題の様に捉える人もあるが、元々日本の社会はサービス過剰だと思ふ。少子化のせいでサービスが悪くなって社会が不便になっても、そこで新しい平衡点を見つけて新しい価値観のもとに生きていくことができるなら、さほどの大問題だとも思はれない。

雲が地上まで降りて来た様な天気の一日であった。