「我は海の子」

2024-01-23 (火)(令和6年甲辰)<旧暦 12 月 13 日>(赤口 丙戌 五黄土星) Frej Freja    第 4 週 第 27377 日

 

若い人の新しい歌にはなかなかついていけないのだが、小学校で習った歌などは歌ひやすい。時々、そんな歌を Spotify で聞くことがある。Spotify といへばスウェーデン発の企業であるが、どうもあんまり収益性が良くないらしく、最近はMicrosoft や Tencent などに吸収されるかもしれないとかの噂も聞く。が、これはまた別の話だった。小学校で習った歌で好きな歌のひとつは「我は海の子」である。この歌詞を見ると、今ではずいぶん時代離れしたなと思ふ。たとへば、「煙たなびく苫屋こそ」と歌っても、今の日本の海岸線には津波を防ぐ防潮堤が高く張られて、煙たなびく苫屋などどこにも見当たらない。苫屋といふのは屋根が茅などでふかれた粗末な家のことである。それでもその様な風景を脳裏に浮かべることはできる。「高く鼻つく磯の香に」といふ歌詞もある。うん、確かに僕の子供の頃は、海辺では強い潮の匂いがツンと鼻をついたものだった。だが、今の海ではそんなに鼻をつかないのではないか。味も昔ほどキリッとしょっぱくないのではないか。今から思ふと昔の海水には新鮮なミネラルが豊富に含まれる感じがしたものだった。これらは文明の発達と引き換へに僕らが失ってしまったものであると思ふ。今は海の水に微細プラスチックが紛れて汚れてゐる。海水温度も上昇してプランクトンの分布が変はり、お魚や海藻も昔の様には獲れないのだといふ。この先どうなるのだらう。どうすれば良いかわからない僕は、ただ昔の海に恋ひこがれて、ひとり海の歌を歌ふばかりである。

気温はプラスに転じたが、路面がツルツルで危ない。