日本があぶない

2023-12-17 (日)(令和5年癸卯)<旧暦 11 月 5 日>(先負 己酉 六白金星) 3:e advent Stig    第 50 週 第 27340 日

 

余計な口出しかもしれないのだが、日本が危なっかしくて仕方がない。今、日本のニュースを見ると、自民党の派閥の政治資金パーティーをめぐる裏金疑惑でもちきりである。日本といふ国が、いま、緊張した国際関係の中で模索すべきことはたくさんあるはずなのに、そんなこととは無縁な問題のことで、貴重な時間と人的資源が浪費されていく。僕らは自分たちの代表にこんなことで悩んで欲しくないのだ。そもそも政党に派閥があること自体、民主的な社会ではない証拠ではないか。百歩譲って、政治には金がかかるものだといふ現実を認めたとしても、もし、彼らが本当の政治をしてくれるなら、例へば日本が、戦争のない世界に向けて独自路線を展開するなどの動きを見せてくれるなら、多少は政治と金の問題など大目に見過ごしても構はないといふ考へが、僕個人の内部にはいくらかある。ところが現実はその反対路線を進んでゐるのだ。岸田政権の最大の過ちをひとつあげよと問はれたら、政治の裏金問題などではなく、統一教会問題の対応の悪さでもなく、ただ、明快な根拠もないままに防衛予算を拡大したことだと思ふ。岸田首相は平和をどの様なものと考へてゐるのか実にわかりにくい。「殴られても決して殴り返さない」これが平和維持のための大原則だ。殴り返さないのなら、軍備も拡張する必要がないではないか。これを徹底した日本の国是としてくれるなら、政治資金裏金事件などはあまり問題にしたくないのだ。「近隣の国が軍備増強に走るから我らも増強するのだ」ではあまりに先の大戦の敗戦国として情けない。2001年にアメリカ同時多発テロ事件が起きた時、アメリカが怒り狂ってアフガニスタンに殴り返さなければ、世界はもっと平和に進んだはずだ。今回もハマスの攻撃を受けた後で、イスラエルがリベンジせずに落ち着いて平和を訴へる演説を世界に向けて行なってゐたならば、状況はどんなにか変はってゐたことだらう。「復讐するは我にあり」は新約聖書(ローマ人への手紙)にもある言葉だ。悪い奴らに復讐できる権利があるのは、神様だけである。平和への祈りは、単なる理想論でも絵に描いた餅でもない。原爆を落とされた日本だからこそ、世界に向けて訴へる言葉に真実が籠るのではないか。平和を維持することはかくも辛い忍耐を要する営みであることを、首相みづからの言葉で心を込めて国民に呼びかけて欲しいと僕は思ってゐる。

プラスの気温になって雪があらかた解けた。White Christmas にならないかもしれない。