おにぎり

2023-10-02 (月)(令和5年癸卯)<旧暦 8 月 18 日>(先勝 癸巳 一白水星) Ludvig Love    第 40 週 第 27264 日

 

日本人が発明したものは色々とあると思ふけれども、その中で「おにぎり」は大発明であったと思ふ。簡便に持ち運べる食べ物としておにぎりより優れたものは世界にないと思ふ。しかも堂々の主食である。軽いスナックなどとはわけが違ふ。小さい頃から学校の運動会や遠足などには必ずおにぎりを持って行ったものだった。あの味が懐かしい。今、コンビニなどで買ふおにぎりは海苔がセロハンに包まれて離してあって、食べるときにセロハンが外れる様になってゐる。あれは間違ってゐる。ちょこざいな気がして僕は嫌ひだ。おにぎりは、できた時に海苔とご飯が接してゐなければいけない。持ち歩く間に海苔の味がご飯に染みて美味しくなるのだ。日本人があの海苔を別に包んだ気取ったおにぎりを食べ続ける限りは日本はこの先も成長できない気がする。吉田満著「戦艦大和ノ最期」に、昭和20年4月7日、激しい戦闘が始まる直前の昼食の場面がある。立ったままで壁に倚りかかり、握り飯を食べる。「イワン方ナクウマシ コレヲ限リノ奢リナリ」いつも僕はここで涙ぐんでしまふ。三千の大和の乗組員は等しくこんな思ひで握り飯を食べて死んでいったかなと思ふ。ところで、話が飛んでしまったが、今日はストックホルムへ行った。いつもは週末に行くのだが、今日は月曜日に行くことになった。ストックホルムへ行く日の前日は同居人が持っていく食べものを拵へてくれるのだが、僕は当日少し早めに起きて、おにぎりと卵焼きだけ作ってそれも一緒に持っていくことにしてゐる。おにぎりにはもちろん海苔を巻いて持って行く。娘の家族も美味しいと言って食べてくれる。良い家族だ。

ストックホルム市庁舎。ノーベル賞の晩餐会は例年「青の間」で開かれる