神宮外苑の再開発問題

2023-09-04 (月)(令和5年癸卯)<旧暦 7 月 20 日>(友引 乙丑 二黒土星) Gisela    第 36 週 第 27236 日

 

神宮外苑の再開発を見直して欲しいといふ声が高まってゐる。特に外苑の代表的な景観であるイチョウ並木が切られてしまふことへの反対が大きい。著名なたくさんの文化人たちが、イチョウ並木を切るなと運動しておられる。僕にとって、もはや東京は遠い町なのだが、それでもやはりあのイチョウ並木は残して欲しいと思ふ。東京都の小池知事は就任直後、築地の中央卸売市場移転に関して、知事の力で移転を延期させたことがあった。それはどこかパフォーマンスを見せつけただけの様な気がしてしようがない。神宮外苑の再開発問題の様な本当に都市の環境と文化が危機に瀕した時にこそ、そのパワーを発揮してもらひたいと思ふのだが、なぜか今回は沈黙しておられる様に見受けられる。僕は都市再開発といふことがそもそも嫌ひだ。昔、六本木にスウェーデンセンタービルといふ素敵なビルがあって、僕は何年かそこでお世話になったことがあるのだが、それも六本木ヒルズができた時に壊されてしまった。その隣には日が窪の、木々のこんもりした感じの場所もあったのだが、それもなくなってしまった。司馬遼太郎の「殉死」といふ小説に、乃木希典はこの辺りで生まれたと書いてあった様に記憶してゐるが、今はもうそんな面影もないだらうと思ふ。後に六本木ヒルズ回転ドア事故が起きた時、僕はフッとその土地の霊の働きの様なものを連想してしまった。非科学的な発想ではあるのだが。新しい街づくりは楽しいのかもしれないが、そこに注ぐエネルギーを、今は都市の防災を強化するために使って欲しい。新しい街づくりはもっと緩やかに時間をかけて進めた方が良いのではないだらうか。

秋にしては強い陽射しでサングラスが要るほどであった。