原爆忌

2023-08-06 (日)(令和5年癸卯)<旧暦 6 月 20 日>(先勝 丙申 四緑木星) Alfons Inez    第 31 週 第 27207 日

 

広島に原爆が落とされて78年。本音を云へば、そんな昔のこと、もう早く忘れたい、といふ気持ちがある。世界が本当に平和になって、核兵器がこの地上からすっかり無くなって、「20世紀の昔には核兵器といふものがあったんだってさ」と語られる状況になれば、日本の国の被曝体験は過ぎ去りし歴史の中の事件として語られるだけになるかもしれない。けれども現実は、核兵器が使用されるかもしれない危機が身近に迫ってゐて、とても「広島・長崎のことは忘れようね」とはなれないのだ。もし、この地上世界といふ入れ物の中の片隅に、その環境と絶縁して小さい自分がゐるだけならば、自分は無力かもしれない。けれども、もし、自分の意識といふものがまづあって、己が生きる限り、その意識の中に世界や歴史が構築されるのを幻想的に眺めてゐるのが真の姿であるとしたら、世界と自分とは相互作用ができる、つまり世界を変へられるのではないか、といふ気もする。その様な生き方を選ぶなら、地上から核兵器が廃絶できない原因の一部は自分が担ってゐることになる。ひとりでも多くの人がその様な生き方を選んでくれることが核兵器廃絶への道を開くのではないだらうか。

Stockholm も今日はあまり良い天気ではなかった