2023-04-21 (金)(令和5年癸卯)<旧暦 3 月 2 日>(仏滅 己酉 七赤金星) Anneli Annika 第 16 週 第 27100 日
修証義といふお経がある。僕はあまり深く考へずにこのお経を開いて口にすることがある。そこには道元禅師の「正法眼蔵」のエッセンスが書かれてあるといふことである。書かれてあることは難しいのだが、鎌倉時代に書かれたお経であるからか、ところどころ、なんとなく分かる感じがする部分もある。「生を明らめ死を明らむるは佛家一大事の因縁なり」と始まる。第三章受戒入位には、上来三帰、三聚浄戒、十重禁戒といふ言葉が出てくる。このうち、十重禁戒について見ると(意味はネットで調べた)、
第一不殺生戒(生き物を故意に殺してはならない)、
第二不偸盗戒(他人のものを盗んではならない)、
第三不邪婬戒(不道徳な性行為を行ってはならない)、
第四不妄語戒(嘘をついてはいけない)、
第五不酤酒戒(酒を飲みすぎてはいけない)、
第六不説過戒(たとえ自らに理があろうとも、他の過ちを責め立てて、己の道理を誇り押しつける様なことは避けるべきである)、
第七不自讃毀佗戒(自分自身をほめたたえてはいけない)、
第八不慳法財戒(己が学び蓄えた知識や財に執着し、出し惜しむことのないようにせよ)、
第九不瞋恚戒(腹を立てて激しい怒りで自分を見失ってはならない)、
第十不謗三寶戒(仏・法・僧の三宝をそしってはいけない)
このうちの最初の5項目は五戒として仏教で宗派を問はず一般に言はれる教へのやうである。
ところで、旧約聖書に出てくるモーセの十戒は以下の通りである(ネットで調べた)
- ヤハウェのほか何ものも神としてはいけない
- 神の名をみだりに呼ばない
- 安息日を聖とする
- 父母を敬へ
- 殺してはいけない
- 姦淫してはいけない
- 盗んではいけない
- 偽証してはいけない
- 他人の妻を恋慕しない
- 他人の所有物を貪らない
東西の十戒には共通部分もかなりあることが分かるが、モーセの十戒には一神教ならではの戒めが筆頭に見られる。宗教の自由のありがたさを改めて思ふ。