うるう秒がなくなる話

2022-09-03 (土)(令和4年壬寅)<旧暦 8 月 8 日>(先負 己未 八白土星) Alfhild Alva 第 35 週 第 26870 日

 

地球といふ星は過去に幾度も大きな変化を遂げてきた。何度も氷河期があったと聞くし、地磁気が何度も反転した話も聞く。地球の年齢は4,600,000,000年と言はれるが、ホモ・サピエンスと呼ばれる現代の人類が地上に出現したのは30,000年ほど前のことか。生命の起源は宇宙から来たといふ話もよく聞くが、いづれにしても自然の産物には違ひない。人間もまた地球の一部であると僕は思ふ。人類は今、気候変動とか言って騒いでゐるが、地球はもっと大規模な気候変動を幾度も繰り返してきた。凶暴な波風も集中豪雨も干ばつも大地の揺れも、火山の噴火も、地上に生きる人間には切実な問題だが、地球にとっては痛くもかゆくもない。ホモ・サピエンスもやがては滅び去って、また何億年もかけて新しい生命が生まれるのだらうか。いや、太陽にも寿命があることだし、地球の自転の速さも変はるだらうし、地球の海はプラスチックゴミで汚れてしまったし、この愛すべき地球がいつまでも生命の海となってくれるかどうかわからない。この宇宙の果ての何処かに地球に似た星が出現するのを待つしかないのだらうか。そこでは1年とは、ひと月とは、1日とは、1秒とは、どれほどの時間になるのだらうか。また、1メートルとはどれほどの長さになるのだらうか。これらはたまたま我々の地球のサイズや地球と太陽の運動の関係をもとに決められた量であった。昔の1秒は地球の自転の周期をもとに決められたが、今は、セシウム原子が放射する周波の振動数をもとに決められてゐる。ところが長い年月が過ぎると、日時計が示す時刻と原子時計が示す時刻にズレが生じてくる。そのズレを補正するためにこれまでは適宜「うるう秒」を挿入して対応してきたのであるが、IT機器が誤作動を起こす恐れから「うるう秒」の挿入を廃止しようといふ動きがある。すると、正午ごろに太陽が南中するこれまでの時刻の感覚はもはや維持できなくなってしまふ。例えば、時計は午後8時なのに太陽が南中してゐる様なことが起こりうる。さうなるともはや日本時間とかヨーロッパ中央時間とかは意味をなくするので、世界共通の時刻ひとつだけで全世界が生活する様になるのではあるまいか。朝も夕べも毎日やってくるのだがそれが何時頃になるかは様々だ。午前、午後といふ指定の仕方もない。そんな生活には地上の多くの人は耐えられないのではないかと危惧する。誰か天才が現れてこの問題は解決されるのかもしれないが。

今日も Stockholm へ行った。スウェーデンではコロナ感染がニュースに現れなくなってゐる。終息したわけでもないし、ワクチン接種は盛んに勧められるが。