王様のワクチン

2021-01-19 (火)(令和3年辛丑)<旧暦 12 月 7 日> (赤口 丁卯 四緑木星) Henrik   第 3 週 第 26275 日

 

スウェーデンのカール16世グスタフ国王とシルビア王妃は金曜日にソーデルマンランドのフレーンといふ町の近くのステーンハンマー城でコロナのワクチンをお受けになった。ここまでなら何といふこともないのだが、今日の Södermanlandsnyheter には、なぜ王室にワクチンを受ける順番の優先権があるのかと言って、このことを疑問視する記事が出てゐた。王様だもの、当たり前ではないかと僕などは思ふのだが、その様な批判記事が新聞に載るのはお国柄かなと思ふ。僕はコロナで閉じ込められた生活で、少しづつ平家物語を書写してゐて、そこには「忠」だとか「孝」だとか出てくるのであるが、その概念を言葉で説明してもこちらの人には伝はりにくいかもしれない。明治24年(1890年)、第一高等学校の講堂で教育勅語奉読式があった時、内村鑑三は最敬礼をしなくて教員をやめなければならなくなる事件があった。この様な話を聞くと、「忠」が担ぎ出されて、妙な圧力になってしまったのを感じるが、本当の忠孝とはもっと美しいものであると僕は思ってゐる。ついでに言へば、コロナの日本の社会に見られる同調圧力もこれと同じ種類の圧力であって、決して美しくはない。

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今日のゴミ捨て散歩は少し遅くなった。中央右に並ぶのが分別収集コンテナ。