昭和は遠く

2020-01-20 (月)(令和2年庚子)<旧暦 12 月 26 日> (先勝 壬戌 五黄土星) Fabian Sebastian 第 4 週 第 25910 日

 

中村草田男の「降る雪や明治は遠くなりにけり」は有名な俳句であるが、この句が詠まれたのは昭和6年(1931)であった。大正元年は1912年であるから明治が過ぎてから20年は経ってない。それでも、明治、大正、昭和と年号を経たことで、西暦で数へる以上に過去が遠くになった様な印象はあったのかもしれない。日本人にとって年号は時代の区分である。僕たちも今の令和といふ時代を迎へたことで、確かに昭和が遠くなった感じを持つ。令和も2年目となったので、その思ひはいっそう強い。昭和に生まれた僕は、戦後に生まれたにも関はらず、太平洋戦争がすぐ昨日のことの様に思はれる。その終戦から実に75年になろうとしてゐるのに。日清戦争日露戦争は遠い過去のことに思はれるが、日清戦争から日露戦争まで約10年、日露戦争から第1次世界大戦まで約10年、第1次世界大戦から満州事変まで約17年、満州事変から真珠湾攻撃まで約10年であったことを思ふと、戦後のこの75年の長さを改めて思ふ。

f:id:sveski:20200122051415j:plain

snödroppe といふのか、春を待つ花が芽を出して。