不安な時代

2019-12-14 (土)(令和元年己亥)<旧暦 11 月 18 日> 仏滅 乙酉 四緑木星) Sten Sixten  第 50 週 第 25873 日

 

平和な時代と苦しい時代とは代はる代はるやって来るものだ。どんなに機械文明が発達して明るい未来像を描いて見ても、人類が皆幸せに暮らせる平和な時代は来ないのではないかといふ気がする。現に今の時代も、飛躍的な技術の発達をよそに、じわじわと暗いかげが忍び寄って来てゐる様にもみえる。例へば平安時代末期には人々は末世の到来をおそれて暮らした。鎌倉時代になって法然親鸞栄西道元日蓮などがほとんど同時期に現れたのはその様な人々の不安と無縁ではなかったと思ふ。今から見ると、当時は末世ではなかったけれども、いつかは末世が来るかもしれないといふ潜在的な不安は今もある。気候変動や水害や地震津波に怯える現代人の姿は平安時代末期とあまり変はらないのかもしれない。いたづらに不安をあふることを言ふのは良くないと思ひつつも、僕らは一体どこへ行こうとしてゐるのかなと時々思ふ。