京都 - 建仁寺

2019-04-06 (土)(平成31 年己亥)<旧暦 3 月 2 日>(仏滅 癸酉 四緑木星) Vilhelm William 第 14週 第 25623 日

 

若い頃から京都の町は何度か訪れてゐるのだが、常に未知の町である。行く先も三十三間堂とか清水寺とか知恩院とか平安神宮とか銀閣寺とか、同じ場所へは何度か足を運んだが、有名なのに行ったことのないお寺もかなりある。仕事をしてゐた頃は、週末など、日本にやって来た同僚と一緒に回ることも多かったので、半ば案内役もあって、自分のペースで散歩する機会も少なかったように思ふ。短い滞在で見て回るには京都はあまりに大きい。町の中心部にありながら行ったことのないお寺のひとつが建仁寺であった。建仁寺栄西によって開山されたが、若き道元比叡山で修行した後、栄西を師と仰いで建仁寺に来た。だが、栄西は間もなく亡くなってしまふ。23歳の年に、明全和尚について宋に渡るまで、道元建仁寺で学んだ。宋から帰国した後もまづは建仁寺に戻ってゐる。であるから、僕としてはぜひ訪ねておきたい場所であったのだ。3月26日、四条通りの南座の東大路よりに花見小路があるが、そこを歩いて北の方から建仁寺に入った。本当の勅使門は南側の八坂通りに面してある。参拝客が多い現代でも、その門のうちに入れば世の喧騒とは無縁の世界である。自分の心のうちにも、世の喧騒から遮断した静かな世界を持ちたいものであると思った。

 

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建仁寺の小書院