ゴーンさん再逮捕

2018-12-21 (金)(平成 30 年戊戌)<旧暦 11 月 15 日>(先勝 丁亥 六白金星) Tomas Vintersolstånd 第51週 第 25517 日

 

昨日はゴーンさんが保釈されるかもしれないといふニュースを見たのに、今日は一転して再逮捕のニュースが流れた。ゴーンさんがやったことは日本の法律では罪になるのだらうし、法律であるなら従はなければならないとは思ふ。でも、私利私欲に走ったと言っても、例へば多くの農民から過酷な年貢米を徴収し、農民を苦しめて私腹を肥やした場合とは違ふと思ふ。自分たちで戦争を始めておきながら多くの兵士を前線に送り込んで戦死させ、原爆が投下されるまで放っておいて国民を苦しめた様なリーダーたちとも違ふ。自由競争社会のビジネスの現場で儲けたお金の使ひ道に関することである。それなら何も身柄拘束とか拘留とか、前時代的な取り扱ひをすることはないのではないか。もし、ゴーンさんがやったことが本当に悪いことならば、何も裁判で争はなくても自然の摂理によってひとりでに滅んで行くものだ。例へば、「熱い熱い」と叫んで死んだ平清盛の様に。隣を見て、「あ、ずるい」と言って彼を犯罪者にするのは、できれば自分も同じ様なずるい事をやってみたい気持ちの裏返しではないのか。日本が今の様な古い体質の刑罰を維持すれば、これからの世界のビジネス競争で日本が敗れていくことは十分ありうる。世の中には反省とか後悔とかに全く無縁な人もゐて、ゴーンさんもさうではないかと思ふ。今回の事件でも本人には罪の意識はないのではないかと思ふ。私利私欲の財産を所有して、それのどこがいけないのかと、多分、内心で納得できないのではないかと推測する。ただ、僕が思ふに「この人のためならば一肌脱がう」といふ側近が日本にひとりもゐなかったのはやはりをかしい。日本での滞在期間もいつも短い様であるし、日本を甘く見てゐると思はれても仕方ない一面がある。今回の事件で、ゴーンさんは日本といふ国に屈折した思ひを持つ様になったのではないかと推測する。これからゴーンさんはどうするのか、日産はどうなるのか。若い頃からとびきり秀才で、国際派をもって任じて来たゴーンさんではあるけれども、徳とか仁とかの東洋の思想は学んでゐなかったかもしれない。それでは真の国際派と言へないのではないかとも思ふ。が、それを言ふなら、程度の差こそあれ、日本人も同じであるのだが。

 

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町の広場のクリスマスツリー。背後は St: Nicolai 教会。