伊方原発3号機が運転再開へ

2018-09-28 (金)(平成 30 年戊戌)<旧暦 8 月 19 日>(友引 癸亥 七赤金星) Lennart Leonard 第39週 第 25434 日

 

伊方原発3号機が運転再開の方向に動いてゐる。もし想像もできない様な巨大な火山の噴火があって、火砕流や溶岩流が原子力発電所を襲ったらどうなるか。これはいくら議論しても答へが出ない問題である。安全に絶対はない。どんな最悪の場合を想定しても、それを上回る大被害を仮定することができるから、未来に向かって最悪の場合といふのは定義できない。もし巨大な火砕流発電所を襲ふ様なことがあったら、その時は、原子力発電所を停止してゐたとしても、稼働してゐた時と変はらないほどの被害を受けるのではないかと思ふ。今回の広島高裁の判決は、北海道の大規模停電事故の後で出た。判決はその停電事故の影響を受けたことはないだらうか。2011年の福島の原発事故以来全原子炉が停止し、最近になっていくつかの発電所が再稼働したが、この間、「ほーら、日本は原子力がなくてもやっていけるぢゃないか」と人々は思ったのではないかと思ふ。しかし、先日の北海道の大規模停電で、「もしかすると電気が足りない状況がこれからも起こるかもしれない」と思った人は多いと思ふ。僕自身、これからもエネルギーの危機は起こると思ふ。その時になって、まるで台所かリビングの電灯スイッチでも入れる様な手軽さで、「原子炉を起動すれば良いぢゃないか」と言ふ人があるなら無責任だと思ふ。長年停止してゐたものを再稼働することは容易ではない。それは現場の優秀な人材が絶えず訓練を繰り返して初めて達成できるものであり、この7年の空白はその様な人材を育てることができなかったのではないかと僕は危惧する。長年停止したりするから、原子炉の安全性はますます遠のくのだ。

 

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