さよなら ネクタイ

月 旧暦 3 月 22 日 赤口 己亥 三碧木星 Carina Carita V19 25290 日目

定年になって、会社を辞めてすぐの頃は、身の回りの整理をすることが大目標であった。それはある程度までは達成できたが、まだまだ序の口で先は長い。毎日、洋服タンスを開けると、ドアにネクタイがかかってゐる。ドアを引くたびに重く揺れる。これらはほとんど活用されることがない。そもそも僕は、長かった会社生活でもお気に入りのネクタイなど持ってなかったから、ネクタイをしめて気分がワクワクすることはない。といふより、ネクタイを身につけて外出することが今はほとんどない。それなのに、毎日開け閉めするドアの一番アクセスの良い場所に、使はないネクタイがたくさんかかってゐるのは不合理でないかと突然気が付いた。それで今日はタンスの整理をした。もう使はないネクタイはどうしようかと思ふ。何本かは残して置きたいが、ではどれを残すかとなると迷ってしまふ。結局当分は箱に入れてしまっておくことになりさうだ。いきなりバッサリと捨てられなくても、この箱はいつかは捨てて良いものと優先度を決めて片付けておけば、それもまた、整理の一つの段階ではないかと思ふ。