防寒帽

水 旧暦 12 月 22 日 先負 庚午 四緑木星 Rikard Dick V06 25201 日目

立春を過ぎたのに、僕の郷里の福井では記録的な大雪で、国道で立ち往生して夜を明かす自動車が何台もあるとニュースで見た。こちらのスウェーデンでも2月2日から氷点下の気温がもう5日間も続いてゐる。氷点下になると、外出時に僕は防寒帽をかぶる。この防寒帽は 1987 年 11 月 27 日にアラスカのアンカレッジ空港で買ったものだ。もう 30 年以上も被ってゐる。と言っても冬だけであるけれども。日本から家族とともにスウェーデンに引っ越した時、当時は航空機のヨーロッパ路線はアンカレッジ経由の北極周りが一般的であった。アンカレッジでの給油のための休憩時間に、空港の売店で買った。幾らであったか覚えてないが、結構高かったことだけは覚えてゐる。まるで、太平洋戦争当時の零戦パイロットがかぶる様な、耳を覆ふことができる帽子である。「今時そんな帽子をかぶってゐる人はちょっと居ないよ」と同居人は何度も僕に言ふ。だが、僕は一向に構はない。「恥づかしい」と言ふ気持ちは年老いた僕には全く無い。ただ、脱いだ時に折りたたむこともできずに荷物になるのが難である。でも、それだけ暖かいのだから仕方がない。長く着用すれば愛着もわく。この冬はいつまでこの帽子をかぶることになるだらう。