県美展

日 旧暦 9月23日 先勝 戊寅 一白水星 霜降 下弦 Severin Sören V42 24718 日目

第67回福井県総合美術展の最終日であるので、バスで出かけた。福井県立美術館は比較的新しい建物で、卒業した高校のすぐ前に建ってゐる。ちょっと高校時代に戻った気分で、当時を思ひ出しながらバスに乗り、幾久運動公園で降りた。この運動公園は、担任していただいた森先生が、今も毎朝ラジオ体操に通はれる場所でもある。展覧会場では人の混雑も少なく、ゆっくりと時間をかけて鑑賞できた。日本画部門、絵画造形部門、彫刻部門、工芸部門、デザイン部門、写真部門、書道部門に分かれてゐて、どの部門でも製作した人々の強いエネルギーを感じた。また、子ども展も併設されてゐたが、そこにも若い力が躍動してゐて、励まされるのを感じた。ひとつの国の文明が熟すると、何ごとにもプロとアマの力量の差は小さくなるのではないかと、作品群を見てゐて僕は感じた。作品のひとつひとつがすごいのだが、それらが一堂に会することで、さらに相乗的に豪華な感じが出る様にも思はれた。日本画部門の県美展賞は島田くみ子氏の「足羽山」に与へられた。太い桜木の枝間遠くに自然博物館やテレビ塔が見える。この絵を描いた方は実は高一時代の僕の同級生である。絵に向かって小さな挨拶を交はして僕は会場を後にした。