病院へ行く

金 旧暦 6月19日 赤口 乙巳 四緑木星 大暑 Magdalena Madeleine V29 24625 日目

今回急に日本に来ることになったことには訳がある。数ヶ月以上も前から鼻の根のメガネがかかるあたりにイボの様なものができた。最初は老斑かと思ってゐたのだが、6月になってそれが次第に大きくなってきて、メガネの着脱にも煩はしさを感じる様になった。ボードセントラーレンへ行ってそこのお医者さんにレミスを出していただいたのだが、それから数日後、エスキルスチューナの病院から、診察日は8月25日ですと郵便で通知が来た。もっと早くしてもらへないかと電話をしてみたが埒があかない。電話をすると言ってもすぐに出てくれる訳ではなくて、時間を指定して折り返し相手から電話がかかってくるのを待つのである。電話の相手が悪いのではない。外国人であるといふ理由から差別して後にされることはスウェーデンではあり得ない。自分自身これまでずいぶんお世話になってきたので社会主義を批判することは本意ではないのだが、これは人口が少なかった時代に社会主義的な背景を持って発達してしまった社会が抱へる医療体系の面での深刻な課題だと思ふ。メガネは日に日にかけにくくなる。そんなに長く待つ間に病状が悪化したら嫌だなと思ふと心配が募った。スリーマイル島の様な重大な原子炉事故でも、事故が始まるきっかけは日常にありがちな些細な警報であった。日常の身体の変化を見るにつけても大したことないだろうと根拠もなく思ふのは良くない。これはもう日本へ行って、日本の病院で診てもらふにしくはないと決めた。すぐに飛行機の切符を手配して日本へ来た。高校時代の同級生のお医者さんの助言を受けて、ついに今日、福井大学病院皮膚科で診てもらふ事が出来た。患部を少し切り取って皮膚ガンでないかの検査をまづしてもらふことになった。結果が出るのに2週間ちょっとかかる。局所麻酔、一部切除、縫合、おでこにバツ印の絆創膏。見かけは痛々しいが、蚊の止まったほどの痛みしか感じなかった。化膿止めや鎮痛剤の薬も出していただいた。今日のところはここまでであるが、治療方針の決定からここまでを一気に1日でやってもらへたのはありがたかった。さすがは大学病院と思ふ。高校時代の友達は、本当は忙しいのだが時間をやりくりして、自動車の送り迎へまで含めてずっと僕に付き添ってくれた。もったいないと思ひつつ、友情をありがたいものとかみしめながら受けた。