新しい薬

金 旧暦 3 月 5 日 先勝 壬午 四緑木星 穀雨 Amalia Amelie V16 25273 日目

僕はスウェーデンでは境界型糖尿病患者として登録されてゐる。それで毎年一回、病状チェックのために Vårdcentralen から呼び出される。スウェーデンでは、お医者さんに直接診て貰ふことは非常に難しいのだが、僕の様に患者として一旦登録されてしまふと、逆に今度はその様な機会がひとりでに与へられる。かなりの時間をかけて日頃の健康相談も聞いてもらへる。幸運といふ他はない。今年の検診は3月初めにあった。その時、二つのことが指摘された。一つは聴診器で受ける呼吸器音が気になるから念のために病院へ行って機械による検査を受けよと言はれた。remiss を出していただいたので、今はその検査日の通知待ちである。検査は多分7月ごろになるのではないかと思ふ。聴診器といふ極めて原始的な検診方法でそこまで分かるのかと僕は感動した。もう一つの指摘は郵便で届いたのだが、血液検査の結果、甲状腺のバランスが低い可能性があるから、もう一度血液検査をしに来いと言はれた。それですぐにまた、血液検査をしてもらひに Vårdcentralen へ行った。旅行から帰ってみると、ドクターから手紙が届いてゐて、やはりあなたは 甲状腺のバランスが悪くなってゐるから、Levaxin といふ薬を2ヶ月ほど飲めと書いてある。処方箋はコンピュータ上で既に出されてゐるから、薬局へその薬を買ひに行って、昨日から飲み始めた。併用してはいけない他の薬に注意が必要と言はれた。このことが、旅行中に日本で病気になったこととどれほど因果関係があるかはわからない。日本では職場や地域などで健康診断が一斉に行われる。それはそれで素晴らしいのだが、これからの日本では、病院は患者様がやって来るのをただ待つのではなく、患者一人一人に特化した健康診断を病院主導で提案し、個人に合せた予防の医学を高めることが、新しい時代の病院経営の一つの形になることはないだらうか。