認知症事故判決

火 旧暦 1月23日 大安 壬午 七赤金星 Albin Elvira V9 24482 日目

認知症患者が事故を起こした場合、その家族はどこまで責任を負ふべきかといふ問ひかけは非常に難しい問題と思ふ。これまでの裁判では家族に厳しい判決が出されてゐたが、今日の最高裁の判決では家族に賠償責任はなしと確定した。妥当な判決であると思ふ。僕らの社会は普通の感覚で生きられる強い人間だけを対象として、色々な基準を定めて能率化や高速化を図ってゐるが、もっと弱い立場の人や、認知症の人たちもゆっくり暮らせる社会でなければ皆が安心できないと思ふ。飛び込み自殺は論外として、さうでない場合に事故が起きるのはそれだけ技術や設備が未熟だからであると考へなければいけない。その意味では今日の判決は妥当と思ふ。けれども、今日の判決で家族側の人は「きっと亡くなった父も喜んでゐると思ふ」とコメントした。これには僕はちょっと後味の悪い違和感を覚えた。