思ふこと

水 旧暦 7月6日 赤口 丁卯 九紫火星 Magnus Måns V34 24298日目

若い頃、と言ってもスウェーデンに渡ってからだからもう不惑にならんとしてゐた頃のことだが、仕事が面白くてたまらなかった時代がある。日本の会社での勤務から解放されて、自由になれて、ストレスがなくなったせいもあるかもしれない。けれども時が過ぎるにつれて毎日の仕事が次第に苦痛になって行った。もっとも自分ではそれを決して苦痛とは思ってゐなかった。お手当てをいただいて仕事をさせてもらへることの中に喜びが無かったら、人生は意味がないと思ってゐたから、「仕事が面白くない」なんて自分に言へなかったのだと思ふ。でも、仕事を辞めて家に居るだけの生活をしてみると、仕事をしてゐた頃に感じなかった別の種類の充足感があることも確かであり、その目から当時を振り返ってみると、当時はやはり無理をしてたかのかなと思ふこともある。何事の研鑽も初心者レベルでは楽しいと感じる期間があるのかもしれないし、仕事をするとは誰にとっても厳しいことなのだと思ふ。だからそれは後悔ではないし、むしろ今の自分の方をこれで良いのかと見直すべきかもしれない。ともかくも振り返ってみて、数年間にせよ、「仕事が面白くてたまらない」期間を体験できたことはやはり幸せだったと思ふ。