雪の生活

月 旧暦 11月29日 先負 乙未 五黄土星 Henrik V4 24086日目

夜になってから雪が降り始めた。音もなく降ってゐる。雪が降ると色々なことを思ふ。冬のあいだ中、深い雪に埋もれてぽつんとひとつ、佇む家の風景が眼に浮かぶ。夢の中でしか見られない風景ではあるがうんと小さい頃に実際にそれを見た記憶がある様な気がする。その家に人は住んでゐるのだが、秋のうちに蓄えた食べ物を毎日少しづつ食べて空腹をしのぎ、春が来るまで殆ど外に出ない。インターネットもテレビもラジオも電話もない。そんな生活が実際にあったら、果たして僕が耐へられるかどうかはわからないが、雪が降るとそんな生活を夢見たりする。