立冬

金 旧暦 閏9月15日 大安 壬午 六白金星 立冬 満月 Ingegerd Ingela V45 24013日目

今日は立冬にして満月であった。昨日初雪が降った事を思ふと、従来からの日本の節気が、今やスウェーデンの季節感を表すことを感じる。これもやはり地球温暖化の影響と見るべきか。日本の暦では今日が満月であるが、スウェーデンの暦では昨日が満月であった。地球から見て満月になる瞬間はどこの国に居ても同じ時刻であるが、その時刻がスウェーデン時間ではまだ6日で、日本時間ではもう7日に入ってゐたので、暦の上で満月の日付がずれるのである。スウェーデンの方が早く満月を迎へるわけではない。

ところで、川内原子力発電所が再稼働への地元同意を得た。この冬には再稼働に入る見通しとの事である。安全に絶対は無い。安全審査をいくら厳しくしても、その想定を超える状況に至ればまた危ないことが起こりうる。例へば、日本火山学会は巨大噴火が発電所を襲った場合を想定せよと求めてゐる。その次には巨大隕石が発電所に落ちた場合を想定せよと求められるかも知れない。けれども、原子力規制委員会がどこまでも限りなく、「もしも」を広げるならば、その組織は結局、文明を否定するに終はる。僕が一番恐れてゐるのは人の慢心である。事故が「まさか」の壁を幾重にも破って起こってしまふのは人の心に驕りがあるからだ。それは発電所の建家下に走ってゐるのが活断層かどうかと言ふ表面的な議論よりも余程大事な事だと思ふ。書面で審査に通りさへすれば安全なのではない。人と機械との接点で毎日のたゆまぬ努力が安全を産む。現場での苦労は大変なものと思ふけれども、それ無しに日本のエネルギーの将来は無い事を思って頑張って欲しいと僕は思ってゐる。