クラウドソーシング

月 旧暦 7月9日 先負 丁未 二黒土星 上弦 Arne Arnold V32 23917日目

最近はクラウドコンピューティングの他にクラウドソーシングと言ふ言葉を耳にすることがある。日本語で書けばどちらも「クラウド」で始まってしまふが、前者はインターネットの向かう側が空に浮かぶ雲(cloud)を連想させることから生まれ、後者は群衆(crowd)の中から優れた人材を発掘することを意味してゐるので、同じカタカナでも僕らにはつらい r と l の違ひがある。このクラウドソーシングでは地球上の過疎な地域、経済的に遅れた地域に住んでゐても高いスキルを持った人はネット上でビジネスに参加出来る機会が与へられる。その一方で従来の正社員でもその作業内容がネット上で集まる人たちにも出来る仕事であれば減給されたり職を失ふ心配もある。モノの本によると時代はこのネットソーシングに向かってゐるらしいのだが、何処まで浸透し普及するかは僕には疑問だ。さう思ふこと自体がもう古い人間かもしれないが、素直に共感出来ない。そもそも、状況に依って複雑であらうその場に固有な、現場の感覚まで含む仕事の内容を不特定群衆の誰にも分かりやすく書き表すと言ふこと自体、かなり高度で無理な作業でないかと思ふ。それに、自宅で出来る職種が果たしてそんなにたくさんあるのだらうか。