さよなら2020年

2020-12-31 (木)(令和2年庚子)<旧暦 11 月 17 日> (先負 戊申 七赤金星) Nyårsafton Sylvester   第 53 週 第 26256 日

 

2020年が過ぎようとしてゐる。「いつ自分が感染するかわからない」、そんな不安を抱きながら人を避ける様にして生きた1年であった。確かにその様な不安はいつもつきまとったけれども、それを横へ置いて考へれば、毎日家にゐて単調なことを繰り返すだけの生活は、あまり苦にならないものであることも実感した。もう老境に入ったからかもしれない。日本の故郷が恋しいと言へば恋しいのだが、スウェーデンに来てすぐの頃に感じたあの恋しさとは別のものである。大規模な感染症の流行で僕らの暮らしはすっかり変はってしまったけれども、天は何も人間を懲らしめようとしてゐるのではないと思ふ。それでも懲らしめられてゐる様に感じるのは、そもそも人間の行ひが良くないからであると思ふ。「僕ひとりが努力しても世界は良くならない」と考へるのは誤りだと思ふ。この世界といふものを観察するのは全て自分自身の認識するところにかかってゐるからだ。「この感染症の流行が早く収まって欲しい」さう願ふけれども、単にその様な願望を抱くだけでは何も良くならない気もする。「この感染症の流行が収まったら何かをしよう」と先のことを考へるよりも、今といふ時間を大事にしたいと思ふ。2021年がどの様な年になるのか僕には想像がつかない。その2021年は、ああ、もう2時間もすれば明けるのだ。どうか良い年でありますように。

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町の時計台