理研・笹井氏の自殺

火 旧暦 7月10日 仏滅 戊申 一白水星 Ulrik Alrik V32 23918日目

STAP細胞論文事件は日本の最も優秀な科学者を死に追ひつめるところまで行ってしまった。論文の不正に関し、笹井氏の責任は結果から見れば重大であったらうが、高度に専門的なたったひとつの論文に関する疑義が、かくまで一般市民の間に強い関心と議論を呼び起こしたことは僕には異常としか思はれない。この事件で一体誰が実質的な被害を被ったと言ふのだらう。何か目に見えない暴力を感じてしまふ。正しいことも間違ったこともいちいち周囲が騒ぎ立てなくても自らの作用で自然に露呈して行くものだ。自分で間違ってゐたと分かったらそこで改めれば良いだけの話だ。笹井氏には喧噪の巷をもっと低く見て欲しかった。氏にとっては生き恥をさらす様に感じられたのかもしれないが、それはいっときのこと。たとい左遷されても粘り強く研究を続けて、真の学問のために巻き返しを図り、貢献して欲しかったと思ふばかりである。