STAP細胞の顛末

水 旧暦 11月17日 先負 癸未 二黒土星 August Augusta V2 24074日目

「小保方氏不服申し立てず」と言ふ新聞記事が日本経済新聞に出てゐた。再生科学総合研究センターの笹井副センター長を自殺にまで追ひ込み、世間を騒がせたSTAP細胞であるが、結局は緻密な実験の積み重ねの上に成った論文では無かったことを小保方氏も認めたことになる。理化学研究所では組織の社会的責任もあり、再発防止の見せしめの意味も多分あって、このできごとを研究不正として強く懲戒にあたってゐる。当然のことかもしれない。だが、同じ様なことがもし外国で起きたなら、こんな風に厳しい展開になっただらうかと言ふ気もする。もし、STAP細胞が夢の様な再生細胞では無かったことが分かったのなら、それから先は、「語るに値せず」として、マスコミはこの事件を冷ややかに無視すると言ふ選択もあった筈なのに、正義を振りかざして話題性を追求取材し、人の失敗を執拗に報道した一面はあると思ふ。懲戒が過ぎれば若い研究者たちは無難な課題にのみテーマを絞り込み、日本の科学の発展に寄与しなくなるおそれは無いだらうか。