サヨナラうなぎ君

火 旧暦 6月19日 赤口 丁亥 四緑木星 Ragnhild Ragnvald V29 23897日目

国際自然保護連合が、ひと月ほど前、ニホンウナギ絶滅危惧種に指定した。これを受けて、環境省では神奈川県酒匂川などで生息状況を調査し保全策をまとめる方針であると、数日前の日経電子版で読んだ。僕はうなぎがそれほど好物ではないし、よしや「これからの君の人生にうなぎはないものと思へ」と宣告されてもさほど困らないのだが、さういふ次元の問題では無くて、長く人々の食生活に馴染んだ生き物の種が絶滅するのは社会問題として看過出来ない。ダーウィンの進化論では弱肉強食といふか、強くて環境に適合した種だけが生き残るといふ冷酷な現実を説明してゐる。これまでの地球史で地上に生まれて絶滅した種は無数にあるだらうが、絶滅の原因が自然淘汰によるといふより、人間による乱獲、生産と消費の営みの膨張の故にあるのであれば、人間はもっと謙虚にならないといけないとも思ふ。一言で言へば人が地上に増えすぎた。海水温度の上昇により、うなぎが太平洋を回遊するコースが従来と違って来てゐるといふ指摘もどこかで読んだ。うなぎに限らずサンマ、イワシ、カツオ等色々な種類の魚が穫れない時代が迫ってゐるのかもしれない。それは時代の流れの大きな変革を告げるサインであり、警鐘であるだらうが、対策はむつかしい。