あゝ福井駅

土 旧暦 12月25日 赤口 丙申 六白金星 Paul Pål V4 23726日目

スウェーデンで、といふか、ヨーロッパはどこでも一緒かも知れないが、鉄道を利用する時にやや違和感があるのは駅に改札口が無いことである。駅の建物のドアをくぐるともうプラットフォームに出てしまふ。電車から降りる時も、降りてしまへば切符を回収されることもない。むろん車中で検札があるが、もしも、この検札をくぐり抜けてしまへば、ただ乗りが出来てしまふことになる。車中で切符を買ふと高く取られるのは、かういふシステムになってゐるといふ事情もある。その点、日本の鉄道には必ず改札口があって、つまり、そこは関所になってゐる。最近は自動改札機が普及してゐるが、北陸本線福井駅の場合は、県庁を擁する大都会であるといふのに、自動改札機が無い。10年近く前に駅舎が改装された時にも、自動改札機が設けられなかった。もしかすると、金沢駅にも自動改札機は無かったやうに思ふ。利用客数によるものか、あるひは人間の職場を機械にさらはれないための処置であらうか。東京や大阪の様な大都会より、地方都市の方がシステムの合理化にすぐにはとびつかないやうに見受けられる。それは地方都市の方が住みやすい町として一般に人気があることと関係があるやうな気がする。が、北陸新幹線がやがて金沢まで開通すれば、新幹線の改札口は自動改札になるであらう。何年か遅れて、福井駅もさうなることであらうが、全国で自動改札機の無いただひとつの新幹線の駅を目指すのも面白い気がする。僕にとっては福井駅はなんとも郷愁をそそる駅である。