ハード係数

日 旧暦 12月26日 先勝 丁酉 七赤金星 Bodil Boel V4 23727日目

旅行と言へば、その昔、交通公社が「るるぶ」といふ雑誌を出してゐた。「見る」、「食べる」、「遊ぶ」の語尾を並べて雑誌名にしてゐると聞いた。若い頃は、少しでもお金があったらもっと生活に切実なことに使ひたいと思ってゐたから、この手の雑誌には目を通したことが無い。高校時代は、望遠鏡が欲しい、カメラが欲しいなどと考へてゐた。でも、長いこと生きてゐるうちに身の回りにモノが次第に増えて行った。そして今ではモノを捨てるにもお金のかかる時代になった。今は身の回りのモノを、死ぬまでにどうやったら減らせるだらうか、といふ様なことを時々考へる。お金を使ふ時に、それにお金を払ふと持ち物が増えてしまふかどうかをまず検討する様になった。モノが増える様な買ひ物はなるべく避けたいと思ふ。旅行したり、宿泊したり、電話したりすると、お金はかかるが、モノが増えないので安心な気がする。本や新聞を買ふ場合でも、もし、電子版で買へば、モノは増えなくて済む。食費もモノを増やさずに済む。1ヶ月の家計の支出の中で、モノが増えることに費やす出費の割合を例えばハード係数と呼ぶと、普通の家庭でこのハード係数はどのくらゐになるだらうか。年齢による差がはっきり現れるだらうと思ふ。僕はハード係数をいつも頭において、なるべくそれを減らせる方針で行きたいと思ってゐる。さういふ世代なのだ。