イノベーションの時代

水 旧暦 12月08日 先勝 己卯 七赤金星 上弦 Erland V2 23710日目

この頃はイノベーションといふ言葉が良く使はれる。発明とは違った意味で用ゐられる。同じ発明でも、それによって社会のあり方とか産業の構造とか人々の暮らしのスタイルに大きな変化を与へるやうな価値を持ったものを言ふやうである。それで、これからは、イノベーションの力のある会社が伸びることになるが、それは従来の大企業とはやや違った勢力であるやうである。僕がまだ若かった頃は、メカトロニクスといふ言葉が目新しかったが、今では mechanics と electronics の融合など、あまりにも当たり前のこととして社会に浸透してゐることによるのか、あまり新聞記事にも見かけないやうになった。ただ、あの言葉の出現した当時に比べると、その分野の技術は長足の進歩を遂げてゐて、例へば、ロボット技術など目を見張るものがある。熟練工も顔負けの高度な仕事をこなすこともあるさうだ。自動車は自動運転をするし、介護ロボットはもちろん、大学入試問題を解くロボットもゐるさうだ。この傾向はこれからの10年でますます強まると思ふ。かういふ時代になると、人間はより人間らしさといふか人間にしかできないことを求めるやうになる。それは何だろう。例へば、想像してみる力ではないかと思ふ。イノベーションが速く進むせいで、若い人が、何で生計を立てるべきかを決めるのも難しい時代なのかもしれない。