食の安全

火 旧暦 9月25日 先負 戊辰 二黒土星 Viola V44 23639日目

阪急阪神ホテルズのメニュー虚偽表示問題は、その会社の体質の問題として捉へられてゐるやうであり、さういふ一面も確かにあるのかも知れないが、実はこの問題はもっと深いところに食の安全が脅かされてゐるといふ現実があって、それが結果的にメニュー虚偽表示問題となって表面化してゐるのではないだらうか。もしさうであれば、一社の営業態度を改善させるとかさういふレベルで解決できる問題ではないのではないだらうか。一流ホテルにしてかういふ問題が露呈するといふことは、よろづの飲食店における食材の表示には疑はしいものがあっても不思議は無い。複雑な流通系統のどこで思惑と異なった食材が紛れ込むか分からないとしたら、多岐にわたる食材の出発点をつぶさに検査してまはる作業は膨大になるであらうし、それは結局食材の値上げに跳ね返ると思ふ。純正食材が入手困難になればなるほど粗悪食材の入り込む余地が大きくなる。消費者はただ受動的に「食の安全は守られて当たり前、だってオレはお金を払ってゐるのだから」といふやうな気持でゐるとやがて大きなしっぺ返しを被ることになるのではないだらうか。消費者が皆お客様意識を捨てて、社会全体が食の安全のために積極的に見張り合ふやうな体制が必要なのではないかと思ふ。サービス産業の一等国、消費者王国の日本は、さうであるが故の問題を抱えてゐる気がする。