宇宙の膨張

2022-09-10 (土)(令和4年壬寅)<旧暦 8 月 15 日>(仏滅 丙寅 一白水星)満月 Tord Turid 第 36 週 第 26877 日

 

宇宙はどんどん膨張してゐるのだといふ。1964 年にアメリカのベル研究所でアンテナの雑音を減らす研究がなされた時に、どうしても取れない雑音があって、それは結局宇宙から来る背景照射であると結論づけられ、開闢時のビッグバンの名残であると解釈されたといふふうな話を聞く。イメージ的には、風船がどんどん膨らむ様に宇宙は常に膨らんでゐるといふのだが、何か容れ物があって、その中で風船が膨らむのはイメージができるのだが、風船の中に住んで膨らむのを見るのはイメージが難しい。そもそも何かが膨らむといふのは時間の経過を前提としてゐる。その時間といふのは重力の大きいところではゆっくりしか進まないのだから、1秒といふ長さは感覚的に長かったり短かったりする。宇宙の果てまで普遍的に流れる絶対時間といふものが否定された中で、なおも膨張を続けるとはどういふ意味なのだらう。1秒あたりに膨張する割合といふのはどこから見ての1秒か、といふやうな疑問がわく。ブラックホールのやうに巨大な重力のある場では時間さへも止まるとか聞くが、もし時間が止まるのなら膨張といふことはあり得ないのではないかとも思ふ。光の速さについても同じだ。1秒間に真空中を進む光の速さといふ時、その1秒とはどこで測っての1秒なのだらう。ブラックホールからは光も抜け出る事ができないのは、そこでの1秒が経過するのに外から眺めれば何億年もかかるやうに見えるからかなと思ふ。まぎれもない今といふ時刻に、まぎれもない此所といふ場所に居る自分とは何なのか。宇宙を構成する時空の構造はどうなってゐるのか、僕たちの住む世界はまことに不思議な世界であると思ふ。

今日は写真を撮り忘れて、昨日の写真